Epilogue of H22
「12月5日」という千秋楽
文章にならない・・・
平成22年12月5日・・・この日、東京と宮崎という遠く離れた場所で当流派の一門は今年最後の舞台に臨みました。
本当ならばその時の様子、本番までの歩み・・・などのように、これまで同様その内容を「奮闘記」としてまとめる予定でした。
しかし、いざパソコンの前に座り、頭の中に12月5日にまつわる様々なことを思い巡らせ始めると、抑えきれないほどの感情と涙が込み上げてきて、とてもわずか46文字の言葉で表現できるものではなくなりました。
もちろん12月5日当日も凄まじい密度を容しています。 しかし、このたった1日に辿り着くまでに一体どれほどのことがあったでしょうか・・・
たった2分強の舞台のためにどれほどの思いと、時間を重ねてきたでしょうか・・・
泣きました・・・悔しがりました・・・怒りました・・・・苦しみました・・・衝突もありました
そして笑いました・・・喜びました・・・力を合わせました
そして、それらすべてを分かち合う仲間がいました。
舞台・・・
今回の両会場における舞台全般に対し、私からは何一つ不満はありません。
確かに結果が・・・ じかに見届けることが・・・
いろんな意味で「届かなかった」「出来なかった」ことはあります。しかし今回に関してはそれらは何の問題にもなりません。
決して楽な道のりではなかった・・・むしろ困難な道のりを己が力で乗り越え、お稽古の時以上の出来栄えで舞い・吟じたお弟子さんたち。そしてそんな演者たちを支えた者たち・・・
その集大成として両会場で舞台上の演者に向けられた観衆からの最高の拍手・・・
今思い出しても、心ふるえるような拍手・・・
舞台に立ち、己が務めを果たすことを責務とする者にとって、これ以上の賛辞があるでしょうか。
今回に関するいきさつは数多くあります。 しかし今は敢えて書かず、この瞬間を分かち合った私たちの胸の中にしまっておこうと思います。
未熟・・・だからこそ
私たちはあらゆる意味で「未熟」です。
歴史はあるとはいえ、今の流派は未熟・・・
宗家である私も若輩で未熟・・・
お弟子さんたちも経験が浅く未熟・・・
サポートするものも、始めたばかりで未熟・・・
ですが、だからこそ、そんな未熟な私たちが今年の舞台全てを務めあげ、そのうえで今という瞬間を迎えていることが大事なんだと思います。
12月5日の舞台に限らず、今年のスケジュールが出来た時点で、そのすべてを果たして今の私たちに務めあげることが出来るのか・・・不安はありました。
しかし、みんな本当によく頑張りました。
ひとつひとつの壁に正面から向き合い、決して妥協することなく乗り越えました。 そしてその結果として、最高の形で12月5日というある意味、我が流派の千秋楽の完成に至ったのだと思います。
ありがとう
今回だけあえて「奮闘記」ではなく「Epilogue of H22(平成22年の終章)」としました。
前述の通り、ここでは深くは語りません。
12月5日と、そこにまつわる全ての記憶は、苦楽を分かち合った仲間の心にとどめて、今年を締めくくろうと思います。
また年が明ければ新しい壁が待っているでしょう。
でも、今のこの一門ならば乗り越えることが出来る・・・そう思えることが私は何より幸せです。
宗家として、心から一門のみんなに感謝します。
本当にありがとう・・・
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